「高さ」で劣るチームがペイントエリアでシュートを高確率で決めるために

こんにちは!タカハシユウスケです。

小柄な日本人がバスケットボールで世界と戦っていく上で解決したい課題は2つあります。

「高さ」と「パワー」。

日本バスケが5on5で長く抱えてきた課題でこれは3x3でも同じです。

今回は「高さ」を解決する手段を考えていきます。

「高さ」を解決する手段の1つとして、「ミドルシュート」が効果的です。

なぜミドルシュートを活用するかというと、シュート機会を分散できるからです。

シュート機会を分散すると、ディフェンスがどのエリアでシュートをしてくるか読めないから守りづらくなります。

その結果、高さで劣りながらもペイントエリアで高確率なシュートを決めらます。

ここでいうシュート機会とは、どこで、どうやってシュートするかを指します。

シュート機会を以下の4つに分類しました。

  • 2P
  • ペイントエリア
  • ドライブ
  • ミドルシュート

ペイントエリアとドライブの定義については後ほど詳しく説明します。

では、具体的にどんなミドルシュートが効果的なのでしょうか。

これを「FIBA 3x3 World Cup 2018」イタリア女子代表のプレーを参考にしながら紹介していきます。

以下で詳しく見ていきましょう。

世界の壁「高さ」「パワー」

2018年11月24〜25日に「3×3.EXE PREMIER WORLD GAMES 2018」が宮崎で開催されました。

今大会、男子は世界ランク1位のセルビア(Novi Sad)、2位のロシア(MOSCOW)、25位のカナダ(TEAM Canada)が参加。(大会開催時点のランキング)

日本からは3チームがエントリーしました。

3x3.exe Premiere 2018シーズンの王者TACHIKAWA DICE.EXE、準優勝のZETHREE.EXE、それからリーグの若手を中心に選抜したスペシャルチームPREMIERE.exeが出場。

世界トップクラスのチームと対戦しました。

Day1は、2グループによるリーグ戦。
Day2は、決勝トーナメントを実施。

◯Day1結果

ZETHREE.EXE、PREMIERE.exeはともにリーグ戦で2位となったため、Day2の決勝トーナメントに進出します。

◯Day2結果

ZETHREE.EXE 7-21 Novi Sad
PREMIERE.exe 19-21 MOSCOW

結果は両チームとも準決勝で敗退。

日本のチームは、海外のチームと比べて劣る部分である「身長」と「パワー」で苦戦しました。

「身長」と「パワー」。

日本バスケがずっと抱えている課題ですね。

この2つが全てではないですが、クリアできれば日本のバスケは世界に通用する。

この課題解決にすぐ効く即効薬みたいなものはなくて、時間をかけて作り上げていかなければなりません。

ぼくはこの大会をきっかけに、「小柄な日本人がどうやったら世界で勝てるか?」についてより真剣に考えるようになりました。

なにか良い解決策はないかと思い、いくつかの国際試合を見ていると、目にとまったのは、代表チームの中では平均身長の低い「イタリア女子代表チーム」と「Rae Lin D'ALIE選手」です。

ミドルシュートでシュート機会を分散

Rae Lin D'ALIE選手は、「FIBA 3x3 World Cup 2018」参加選手のなかで最低身長の163cm。

にも関わらず、イタリア代表として優勝に貢献するとともに、大会MVPも獲得しました。

10cm以上背の高い相手から得点、アシストを量産するテクニックは必見です。

そんなRae Lin D'ALIE選手を中心にオフェンスを組み立てるイタリア代表は、この大会の準々決勝でUSA代表と対戦しました。

平均身長で約10cmのハンデがあるイタリアは、ミドルシュートを効果的に決めて17-14で勝利します。

高さのある相手に対して、ペイントエリア手間でミドルシュートを狙っていました。

USA代表からすると、ペイントエリアを高さを使って守ろうとしていたところを、ミドルシュートによってディフェンスのリズムを崩されてしまいます。

ミドルシュートを打つことによって、シュート機会が「2P→ドライブ→ミドルシュート→ペイントエリア」と分散されました。

多くのチームはミドルシュートを打たず、2Pもしくはペイントエリアまで侵入してショットを打ちます。

シュート機会が分散されると、ディフェンスはどこでシュートを打ってくるのか読みづらくなるので、ディフェンスとのズレをつくりやすくなるんですよね。

その結果、ミドルシュートだけでなく、高さで劣るイタリア代表がペイントエリアで、 4/5本(80%)という確率でシュートを決めました。

ちなみにこれらのスタッツはぼくが独自にとったものです。

ペイントエリアとドライブの得点は、分けてスタッツをとっています。

それぞれ定義すると、

  • ペイントエリア→基本的にランニングプレー以外の得点(含む)
  • ドライブ→アウトサイドからドリブルで突破して自らした得点(ランニングプレー)

同じゴール下の得点でもドライブの場合は、アウトサイドからドリブルしてシュートまでを一連の動作で完結しているので、「ペイントエリア」と「ドライブ」で分類しています。

ドライブのシュート成功率は、1/5本(20%)。

ドライブには高さで優位なUSA代表が、ディフェンスでしっかりと防いでいます。

2Pエリア内のシュート成功率をまとめると、ミドルシュートとペイントエリアの得点が確率が良くドライブのシュート確率だけ低いです。

この状態は、シュート機会の分散が成功している状態だとぼくは思います。

ミドルシュート、ペイントエリア、ドライブ。

この3種類の得点は、全てアウトサイドからボールマンがアタックすることから生まれます。

ミドルシュートかペイントエリアで得点を狙う場合は、ドライブほどスピードに乗りませんが、ミドルレーンに向かって力強くアタックします。

ドリブラーは、ドリブル、シュート、パスの3つの選択肢を残しつつゴールへアタックしていきます。

背が高い選手はシュートチェックをしやすいから、マークマンから少し引いてつくことが多いです。

背が低いイタリア代表は、ディフェンスが少し引いてつくところを利用しました。

だからペイントエリア手前でミドルシュート。

ペイントエリアにはいればスペースも狭くなり、次の一手が打ちづらくなります。

近すぎず、遠すぎず。シュートを打つスペースを保てるのがペイントエリア手前の位置。

逆に、ディフェンスがアタックに対してタイトに守り、前に出てきたらペイントエリア深くまで攻めて得点を狙えばいいんです。

高さで劣りながらもアタックからシュート機会をつくっていったことで、これらのシュートが高確率で決まりました。

この試合でミドルシュートを効果的に決めていたイタリア女子代表が目に止まった理由は、イタリア代表女子代表に高さのハンデがあったからだけではありません。

ぼくはそもそも、他のチームがミドルシュートをあまり重要視していないと感じていました。

男子世界チャンピオンのセルビアを例に出すと、ミドルシュート試投数は、0〜2本のことが多いです。

ジャンプシュートをする場合は2Pを選択して、

「2Pの試投数を増やす→得点を一気に伸ばす」

このスタイルが3x3の勝ちパターンになると思っていました。

そんなところに、ミドルシュートを効果的に使っていたイタリア女子代表の戦術を発見し、目をひかれました。

ミドルシュートを打つ時の具体的な動作については、以下のツイートで紹介しています。

オフェンスの流れのなかで使うことに意味があるので、このスキル単体で生かすことは難しいと思います。

やることはシンプルですが、ミドルシュートを打つためのロジックと実行するテクニックが上手く作用すると、強力な武器になります。

ここまでやって例えミドルシュートが打てなくても、チェックに来たディフェンスを交わして味方にパスアウトもできます。

ミドルシュートは、小柄な選手、チームが、ディフェンスとのズレを作るための効果的な手段です。

まとめ

この記事の内容をまとめると、

  • ・小柄な日本人が世界に対して持つ課題は、「高さ」と「パワー」
  • 「高さ」を解決する手段として、ミドルシュートが効果的
  • ミドルシュートを活用すると、シュート機会を分散できるからディフェンスが守りづらくなる
  • 結果、高さで劣りながらもペイントエリアで高確率でシュートを決められる
  • 具体的には、「FIBA 3x3 World Cup 2018」イタリア女子代表のプレーが参考になる

高さがあった方が戦術面でやりやすい部分がありますが、小さいなら小さいなりの戦い方があります。

イタリア女子代表が世界チャンピオンになったように、日本人のジャパニーズスタイルを見つけて世界をとりにいきましょう。

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